2026.5.21
【久留米市の整形外科医】もしかして、その悩み「バレ・リュー症候群」かも?原因と治療法を徹底解説

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【久留米市の整形外科医】もしかして、その悩み「バレ・リュー症候群」かも?原因と治療法を徹底解説
こんにちは。久留米市安武町にある「まつもと整形外科」院長の松本淳志です。
交通事故でむち打ち症(頚椎捻挫)になった後、首の痛みだけでなく、めまいや頭痛、耳鳴り、吐き気などの「原因不明の不調」に悩まされていませんか?
病院でレントゲン検査を受けて「骨には異常ありません」と言われたのに、辛い症状がずっと続いている…。
周囲からは「気のせいじゃない?」「事故のショックを引きずっているだけ」と言われ、誰にも理解されずに苦しんでいる方は少なくありません。
その長引く不調、もしかすると「バレ・リュー症候群(後部交感神経症候群)」と呼ばれる症状かもしれません。
今回は、交通事故後に起こりやすい謎の不調「バレ・リュー症候群」の原因や症状、そして適切な治療法について詳しく解説します。
バレ・リュー症候群とは?(なぜ不調が起きるのか)
バレ・リュー症候群とは、むち打ちなどの強い衝撃によって首(頚椎)にダメージを受けた際、首の骨に沿って走っている「自律神経(交感神経)」が刺激されたり、傷ついたりすることで引き起こされる様々な自律神経症状の総称です。
人間の首には、脳へ血液を送る大切な血管(椎骨動脈)があり、その周囲には交感神経が網の目のように張り巡らされています。
交通事故の強い衝撃で首がムチのようにしなり(むち打ち)、この交感神経が過度に緊張・興奮状態に陥ることで、全身の自律神経のバランスが崩れ、頭痛やめまいなどの多彩な症状が現れると考えられています。
バレ・リュー症候群の主な症状
自律神経は全身の器官をコントロールしているため、症状は首周辺だけでなく多岐にわたります。
以下のような症状が複数当てはまる場合は注意が必要です。
・頭部・顔面の症状: 後頭部の重い頭痛、頭が締め付けられるような痛み
・耳の症状: めまい、立ちくらみ、耳鳴り、耳の閉塞感(詰まった感じ)
・目の症状: 視力低下、かすみ目、目の奥の痛み、まぶしさ(羞明)
・消化器の症状: 吐き気、胃の不快感、食欲不振
・その他の症状: 全身の著しい倦怠感、集中力低下・イライラ感、記憶力の低下、不眠、動悸、多汗
これらの症状は、事故直後から現れることもあれば、数日〜数週間経ってから遅れて発症することもあるのが特徴です。
また、天候(気圧の変化)やストレス、疲労によって症状が強くなったり弱くなったりと、波があることも少なくありません。

なぜ「気のせい」にされやすいのか?(診断の難しさ)
バレ・リュー症候群の最も難しい点は、「画像診断で異常が見つかりにくい」という点にあります。
レントゲン検査は「骨」の異常(骨折や脱臼など)を見るものであり、MRI検査は「神経の圧迫」や「筋肉・靭帯の損傷」を見るのに優れています。
しかし、バレ・リュー症候群の原因である「自律神経のダメージ」や「自律神経の乱れ」、「交感神経の異常な興奮」は、最新の画像検査でも写し出すことができません。
そのため、客観的な異常が見つからず、検査上は「異常なし」と診断されてしまいます。
これが、患者様が「気のせい」「精神的な問題(心因性)」と誤解されやすく、適切な治療へのスタートラインに立ち遅れてしまう大きな要因となっています。
また、交通事故に精通した整形外科専門医でないと「バレ・リュー症候群」そのものを知らないので、診断することができません。
バレ・リュー症候群の治療法
バレ・リュー症候群は、早期に適切な治療を開始することが慢性化を防ぐ鍵となります。
主に以下のような保存療法(手術以外の方法)を組み合わせて治療を行います。
① 薬物療法(お薬による治療)
症状に合わせて、自律神経の働きを整える薬(自律神経調整薬)、痛みを和らげる鎮痛剤、筋肉の緊張をほぐす筋弛緩薬、血流を改善する薬などを処方します。
めまいや吐き気が強い場合は、それらを抑えるお薬も併用します。
特に女性の場合は漢方薬で効果がみられる方もいます。
② 星状神経節ブロック注射
バレ・リュー症候群の治療において、有効とされる治療法の一つです。
首の付け根にある「星状神経節」という交感神経の束に局所麻酔薬を注射します。
これにより、過剰に興奮している交感神経の働きを一時的にブロックし、首から上の血流を劇的に改善させることで、頭痛やめまいなどの自律神経症状を和らげます。
星状神経節ブロック注射に関しては注射ではなく、物理療法として星状神経節にスパーライザーを当てて代用することもあります。
③ 理学療法・物理療法(リハビリ)
首や肩周りの筋肉の過度な緊張が症状を悪化させるため、温熱療法(患部を温めて血流を良くする)や、電気治療、交通事故を専門とする理学療法士による専門性の高いリハビリテーションを行い、筋肉の緊張を緩和させます。
④ 安静と生活習慣の改善
自律神経はストレスに非常に敏感です。
交通事故という強いストレスに加えて、痛みや不安が続くことで症状はさらに悪化します。
まずは心身を休め、十分な睡眠と規則正しい生活を心がけることが大切です。

おわりに:一人で悩まず、まずは専門医へご相談を
交通事故に遭った後、「首の痛みは引いてきたのに、めまいや頭痛が治まらない」といった症状がある場合、決してご自身の「気のせい」ではありません。
目に見えない神経のダメージが悲鳴を上げているサインです。
放置すると症状が長期化・慢性化し、仕事や日常生活に大きな支障をきたす恐れがあります。
交通事故の治療においては、「痛くないから」「骨に異常がないから」と自己判断せず、自律神経の症状までしっかりと診てくれる整形外科やペインクリニックに相談することが重要です。
もし現在、原因不明の長引く不調でお悩みであれば、一人で抱え込まずに、できるだけ早く医療機関へご相談ください。
適切な診断と治療で、元の快適な日常生活を取り戻していきましょう。
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